日本に住んでいたときは、近所のスーパーの生鮮食品コーナーに並んでいる色とりどりの刺身を見て、運良く半額シールが貼られていようものならば、即座に「今日は手巻き寿司パーティーだ!」なんて盛り上がっていた、手巻き大好き家族です。
アメリカに来ると、スーパーに並んでいる魚はどれも加熱調理用のものばかりで、アジア食材を扱っているお店でも刺身は冷凍か、あっても気軽に買えないような値付けのものばかりです。
渡米から数年が経過し、ふとした瞬間に「しめ鯖なんかをつまみながらビールでもやりたいな」なんて思ってネットで調べていたら、案外自分でも作れそうなことが分かってきました。
今まで納豆やラーメンなど、欲に任せてDIYしてきた筆者は、早速冷凍庫に眠っていた「Mackerel Fish(サバ)」を取り出して調理を開始したのでした。
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結果、これが非常に簡単にも関わらずイケていることが分かり、その日以来、アメリカで手巻き寿司パーティーをするときには必ずスタメンとして名を連ねております。
ということで前置きはこの辺にして、以下にて、アメリカで買える市販の冷凍サバを使い、しめ鯖を手作りするレシピをご紹介していきます。
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材料(1〜2人前)
驚くことなかれ、なんと材料はたったのこれだけです。
鯖〆用
- 市販の冷凍サバフィレ(1枚)
- 塩(適量)
- 砂糖(適量)
- 米酢(適量)
下処理用
- 塩(小さじ半)
- 水(200cc)
このレシピのポイントは、市販の冷凍サバを購入することにあります。
ご存知の通り、サバは大変痛みやすい食材であり、処理されずに時間が経過したサバを生食するとアニサキスによる食中毒などを引き起こす可能性があります。
アニサキスを死滅させるためには、家庭用の冷凍庫よりも遥かに低い温度でガチガチに凍らせる必要があるそうです(米国の推奨は、-35 ℃以下で 15 時間以上又は -20 ℃以下 で7 日間以上等 の冷凍)。
一般家庭において、この温度で管理をすることは現実的ではないため、生鯖を買ってきて自宅の冷凍庫で一度凍らせるという方法は個人的には推奨しておりません。
その点、市販の冷凍サバは流通過程を通して業務用の冷凍庫でカチカチに凍らされているはずであり、理論上は安全に〆ることができるはずだろうという訳です。
また、筆者は魚を三枚に卸すことができませんので、丸ごと購入するというのはそもそも不可能なのでした!
ちなみに、今までの経験から冷凍サバはアメリカの内陸地でも比較的手に入りやすい方だと思っており、韓国系のスーパーにいくとこういう感じのがたくさん置いてあるのを目にします。
所要時間目安
色々なレシピがネット上には転がっていて、必要な時間も様々ですが、私の辿り着いた超丁寧なレシピの場合は、以下のようなスケジュールになります。
- 鯖の解凍&塩抜き:3時間
- 塩〆:1時間
- 砂糖〆:1時間
- 酢〆:3時間
全部の工程で約8時間程度が必要になるので、その日の夜に食べるのであれば、午前中に準備をスタートしておく必要があると言えます。
しかし、解凍と塩抜きを前日の夜から仕込んでおけば、実際にはもっと時短が可能です。
実際の調理工程
①鯖の解凍と塩抜き
まずは凍っている鯖を解凍しつつ、塩抜きをしていきます。
ちなみに塩抜きが必要になるのは、上記の画像のような"Salted Mackerel"の場合のみであり、”Unsalted Mackerel”の場合はシンプルに解凍すれば大丈夫です。
ジップロックに下処理用の水200mlと塩小さじ半を混ぜて、冷蔵庫に数時間〜一晩置いておきましょう。
②解凍したサバを締めていく
解凍が終わったら、サバを塩水から取り出してキッチンペーパーで水気をよく切りましょう。
色々な締め方が存在するようですが、私が最終的に行き着いたレシピの参考にさせて頂いたウェブサイトはこちらです。
第一段階:砂糖〆
まず、第一段階として、砂糖を使って〆ていきます。
網の上に解答したサバを載せ、両面全体に余るくらいの砂糖をまぶしていきます。
そして、この状態で冷蔵庫で1時間放置しておきます。
第二段階:塩〆
1時間経過したら冷蔵庫から取り出し、流水で砂糖を洗い流します。
キッチンペーパーでしっかりと水気を切った後、砂糖と同じ要領で今回は塩を全体にまぶしていきましょう。
こちらも同じように、冷蔵庫で1時間放置していきます。
第三段階:酢〆
1時間経過したら冷蔵庫から取り出し、再び流水で塩を洗い流していきます。
キッチンペーパーで水気を切った後は、いよいよ最後の仕上げとして酢で締めていきます。
サバ全体がお酢に浸かれば方法はなんでもいいのですが、我が家では最初に使ったジップロックを再利用して、ジップロック内の空気をしっかり押し出すことで全体にお酢が行き渡るようにしています。
漬けておく時間は個人の好みですが、筆者は酢が効いている方が好きなので、この工程では3時間程度かけて冷蔵庫でしっかり漬けています。
長ければよいという訳ではないですが、アメリカで売っている冷凍サバという食材自体の鮮度の観点からも、3時間というのをなんとなくの目安にしています。
一度1時間程度で取り出したことがありますが、身の中までしっかり締まっていない印象を受けたので、早く食べたい気持ちをぐっと抑えて待ちましょう。
③骨を取り除く
〆の工程が終わっても、今回はお酢を流水で洗い流す必要はありません。
キッチンペーパーでしっかりと水っぽさを取り除き、しっかりとサバの身が白く締まっていることを確認できれば問題ありません。
ブランドによっては、既に骨が取り除かれているものもありますが、腹の部分に残っている大きな骨は切り分ける際に非常に邪魔になってくるので、取り除いておきます。
骨を取り除くためのピンセットがあればいいですが、なければ指を使ってカリカリやれば、大方取り除くことができるので大丈夫です。
④薄皮を取り除く
骨を取り除いたら、今度は皮目を上にして、表面の透明な薄皮を剥いでいきます。
一見難しく見えますが、端の方から爪でステッカーを剥がす要領でやっていけば、一回目からコツを掴むことが可能です。
無理に剥がそうとすると、身も一緒に持っていかれるので、丁寧にゆっくりと剥がしていくことを心がけましょう。
⑤食べやすい大きさに切り分ける
ここまで来ると、ほぼ完成となります。
あとは包丁を使って、食べやすい大きさにスライスしていくだけでいいのですが、見た目に拘る人であれば、以下の写真のように「切り目を入れる→切る→切り目を入れる→切る」という工程を繰り返していくと、盛り付けの見た目が本格的になるでしょう。
⑥(おまけ)ガスバーナーで炙る
この工程は必須ではないですが、もし自宅にガスバーナーがあるのならば、皮目から炙ることで、簡単に炙りしめ鯖を作ることができます。
ガスバーナーで炙ることにより、皮と身の間の脂が溶け出し、より濃厚な味わいになりますので、是非お試し下さい。
ちなみに我が家はこの炙りしめ鯖を作りたいがために、アメリカでガスバーナーを購入したくらいです。
バーベキューの火起こしにも使えますし、普段の食事を炙ることでより美味しくしたりすることもでき、意外と使い勝手が良いので買っておいて良かったと思います。
まとめ
以上、アメリカで買える市販の冷凍サバフィレーを使って、美味しく簡単にしめ鯖を作れるレシピをご紹介してきました。
普段のお酒のアテにはもちろん、手巻き寿司パーティーの主力になってくれること間違いなしの一品です。
味噌煮にしようと思って冷凍庫に締まっている冷凍サバをお持ちの皆様、今すぐ試されてみてはいかがでしょうか?
お酒好きの旦那様や奥様に作ってあげても喜ばれること間違いなしだと思います。
※上記レシピに習って発生した食あたり等の事故に関しては、筆者は責任を負いません。自己責任の上、衛生に最大限の注意を払ってお試し下さい。
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