会社員になってから、どうやって英語を勉強したらいい?と聞かれることが増えました。
私の場合は元々海外志向が強く、学生時代は国際系の学部に在籍し、海外交換留学にも行ったことがあります。前職では海外営業だったこともあり、ある程度英語には困らないのですが、センター試験の英語で70%取れるか取れないか程度の実力だった私が、今のようにアメリカの駐在員に選ばれるまでに、それなりの時間を英語の勉強に費やしてきたのは言うまでもありません。
ペラペラの帰国子女だったりインター出身だったりするわけではない私のような人間が、20歳からの努力だけでここまでこれたので、英語の相談となるとついアツくなってしまいます。
そういうときに常に話のベースとなっているのが、学生時代に交換留学を目指す後輩達に向けて書き残した独自の英語学習理論です。
当時の想定読者は交換留学を目指しTOEFLやTOEICの勉強に励んでいる学生でしたが、久々に読み返すと、ある程度英語ができるようになった今でも使える理論だと確信しました。
約10年前に書いたものですが、色褪せていないどころか未だに個人的に継続している勉強方法が複数あり、今回新たに加筆修正をした上で、ここに掲載したいと思います。
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全ての基礎は文法
スコア向上を目指す上で、文法は、一番最初に手をつけるべきセクションです。
文法は、短期間で成果が出やすい場所であり、文法の知識がリスニングとリーディング、ライティングのスキルを引っ張り上げることになります。
文法の勉強方法
文法の学習には、実践的に問題を解いていくのが一番効果があります。
時間があるならば、高校時代のテキスト(フォレスト/ネクステージ)などを一通り復習してから実践問題を解いていくというステップもあります。
文法の点数が伸びない人は、実家に帰れば、高校時代に殆ど使い古さなかった、これらのテキストがあると思います。
しかし、多くの人は時間に限りがあり、無数の文法を最初から一々押さえていくのは大変だと思います。
そこで、オススメしたいのが、「TOEFL」に特化した参考書を利用することです。
これは、英語の学習全般に言えることですが、必要最低限の知識だけを最初に学び、日常的に使われない知識は、後々、それに出会ったときに逐一学んでいけばいいのです。
語量力を増やすために、辞書を一冊暗記するのは結構ですが、一生使わない語量に時間を割くのは賢い選択とは思えません。
そこで、実際に効果的だと思った文法の参考書を以下に記しておきますので、書店で実際に手に取ってみて下さい。
上記の1冊で、必要最低限の文法を学ぶことができます。
逆に言えば、それ以外の文法事項については全くといっていいほど解説されていません。
しかし、先に述べたように、それらの事項は、後の英語学習で出会ったときに吸収すればいいのです。
その時こそ、まだ椅麗な高校時代のテキストを開くときだと思います。ちなみに、文法を勉強し続けると、英語に形や感触が見えるようになってきます。
例えば、「will have to」の形はジグソーパズルの一番端の列、つまり4辺のうち1辺が平らなピースとピースを合わせたような形を紡併させ、とても美しい。「will」という表現が口から出た瞬間、自分は1辺が平らなピースで、且つ、意味の通る語量を頭の中で検索するのである。
例えば、「about」という単語を見た時は、瞬時になにか堅くて、長いものを想像してしまう。単純な文章ならば「about」の後には名詞、或いは動名詞がくる。僕の中で名詞と動名詞はとても堅い質感だ。だから「about」という言葉が出てきた瞬間に、頭の中では即座に"堅い質感”でソートをかける。
例えば、「for」という前置詞を見た時は、まるで天井の低いトンネルをホフク前進で進んでいる人を思い浮かべる。これは"f"と"r"が右側にカールしてトンネルを作っていて、僕にとって動名詞という全部小文字で、-ingのせいで通常の動詞より少し長くなった単語が続いた時が一番しっくりくるからである。
例えば、「to」という単語を見た時には正四角形のような、安定してプレーンなイメージを持った語量を続けたくなる。その結果、「to+動詞の原型」という使い方が僕の会話では多くなり、「to+動名詞」といった僕が醜いと感じる使い方は死んでも避けたくなってしまう。
例えば、「be動詞」が来た時に、僕は柔らかい三角形のような感触を持った単語がその後に続かなければ落ち着かない。「You are a teacher」という表現は、「be動詞」の後に「a teacher」という名詞が来ている。しかし、さっき説明した通りならば、僕にとって名詞は堅い質感を持ったものであると感じられる。一方で「You are beautiful」や「That is great」など、形容詞が来た時は涙が出る程安心する。形容詞は柔らかく、三角形のような形を持っている。
「be動詞」が美しいと感じるもう一つの瞬間は、それが受動態だった場合である。正確に言えばこれは過去分詞の形容詞的用法の事を指すのだが、「be+-ed」の形が見えると、ジャンケンでグーvsパーでパーが勝った時のようなイメージが浮かび、壮大な爽快感を覚える。僕が「be動詞」を使った時は、純粋な形容詞か、形容詞として使われている過去分詞がまず第一に検索対象になる。
このイメージは約10年経った今でも変わっておらず、英語を喋るときには常にこのイメージが付き纏っています。
自分だけの単語帳
語量力が足りないからといって、英語辞書を丸暗記してみたり、データーベースやターゲットなどの単語帳を仕上げるのは時間の無駄だと思います。
何度も述べていますが、備えあれば憂いなしですが、基本的なスタンスは、必要なときに必要なものを吸収する姿勢です。
というわけで、語量力を増やすために、自分だけの単語帳を作りましょう。
既に単語帳を作ってる人もたくさんいると思いますが、ここでは実際に作成した単語帳の解説をし、もしと思うならば今後の参考にしてみてください。
単語帳の作り方と活用の仕方
まず、グーグルスプレッドシートに新しいシートを作成します。
※当時は大学ノートを使っていましたが、会社PCからも自宅PCからも外出先でスマホからもアクセスできる利便性を考えると、ノートは現実的ではないかと思います。
次に、A~Zまでの各アルファベットにスプレッドシートのタブに割り当てていきます。※下図①参照
そして、英語の学習をしていて、分からない単語に出会った場合、その場で辞書を引いて確認します。
例えばその英単語が「descrition」だった場合、下図のように「D」のページに記入していきます。
これを繰り返し続けると、すぐにシートが埋まっていくと思います。
さらに時間が経つと、以前辞書を引いて記入したはずの英単語が、再び登場してくることに気づくと思います。※下図②参照
この単語帳のポイントは、ここに集約されているといっても過言ではありません。
つまり、頻繁に登場するが、まだ完壁に押さえきれていない単語(この場合はdiscretion)が一目瞭然となるのです。
頻出する英単語というのは、英語という言語の中で相対的に重要な語彙を意味し、それが何度もこの単語帳に登場する(=覚えていない)ということは、これらの英単語は真っ先に覚える必要があるということが分かるのです。
長文は文法の集大成
長文もミクロな視点で見ると、短文の集まりでしかありません。
もっというと、単語が文法という法則に則って規則的に並んでいる、スイミーと同じ状態なわけです。
文法をしっかり押さえており、ある程度の語量力と速読力があれば、理論的には問題はないのです。
長文の勉強方法
実際に効果が上がったと思う勉強方法は、とにかく本を読むという方法です。
今すぐにでも学校の図書館へ足を運んで、洋書を手にして下さい。
この時、自分の興味のある分野の本を選ぶと、理解度が高まり、モチベーションも長続きすると思います。
ただし、小説や古書は、語量や文法の観点からTOEFLの勉強には向いていないと思うので、アカデミックな本を選ぶといいでしょう。
そして、実際に本を読むわけですが、ここで上述した単語帳が活躍します。
読み始め、特に最初の一章は知らない単語だらけなので、逐一辞書を引くことになると思います。
しかし、諦めずに続けていくと、辞書を引く回数が減ってきます。
それに伴い、読み進める速度が向上していくのに気がつくはずです。
それだけ、一冊の中で使われている語量の数が限られているということなのです。
本番では大問につき、高々15行程度の英文を読むだけです。
長距離走と同じで、慣れると大した量ではないと思います。
日本人が苦手なリスニング
今まで色々な人から英語の学習についての相談を受けてきましたが、リスニングが苦手という人が多い印象を受けました。
大学受験で鍛えられた文法、長文は別として、リスニングに対して苦手意識を持っているのは、通算で英語の音に触れている時間が絶対的に少ないからだと思います。
中学、高校時代の英語学習の時間のほとんどは、文法と読解という無音の勉強に費やされてきた事実を考えると、不思議なことではありません。
リスニング能力は一朝一タで獲得することができるわけではありません。
そのため、成果が出るまでに時間がかかりますが、やってはいけないことさえ守ればゆっくりと上達していくと思います。
ノイズから音へ
リスニングの勉強をする上で、絶対にやってはいけないこと、それは「聞き流し」です。
24時間英語のラジオを流し続ければ、英語にどっぷり浸かれるという人がいますが、正直いって効果はないような気がします。
リスニングを勉強する上で大事なことは、言語をノイズとしてではなく、音として認識する訓練をすることです。
そのために効果的なのが、スクリプトを見ながら行うリスニングです。
勉強方法は、スクリプトさえあればどんなテキストを使っても構いません。
ただし、試験の形式になれることを考えると、やはりTOEFLに特化したテキストを使用するのがいいような気がします。
問題を解き、それが正解であっても不正解であっても、解いた後には必ずスクリプトを確認する習慣をつけましょう。
スクリプトを確認しながら、音読、さらに暗記までしてしまうと、スピーキングの練習にもなると思います。
ここで大事なのは、同じ問題を何度も繰り返すことです。
ノイズではなく、音として定着させるためには、何度もスクリプトを見て、何度も聞き直すことが重要です。
これは僕の個人的な話ですが、参考書に載っている例文の半分以上を暗唱できる時期もありました。
ちなみに、英語字幕さえ用意することができれば、映画も効果的だと思います。
ただし、映画は現実世界により近く、表現が口語的になるので、必ずしも「TOEFLのリスニング」が上達するわけではないことを心に留めておきましょう。
また、映画を教材として使う場合、他の教材に比べ、単位時間あたりの言葉数が少ないため、本番が差し迫っている場合は避けたほうがいいかも知れません。
同じ映画でも、ジャンルによって言葉数は大きく違います。
スピーキングの勉強方法について
スピーキングに関しては、別の記事にまとめているのでこちらもご覧ください。
➡ 英会話力を効果的に伸ばす!ドラマ英語のすゝめ - 米国の僻地で暮らす駐在員のブログ
まとめ
正直、上に書いてあることを完全に再現しようと思う人は少ないと思います。
人によって向き不向きがありますし、第一、現状のレベルも人によってまちまちです。
しかし、どんな勉強方法をするにしろ、上に書いてある「勉強のコツ」は必ず押さえておいたほうがいいと思います。
成功する人は、どうやって成功するかを知っているわけではなく、どうすれば失敗するかを知っているのです。
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