アメリカ赴任が決まると、まず最初にビザの取得を行うことになります。
基本的な書類などは会社が用意してくれるものの、米国ビザの場合は大使館での面接という地味に高いハードルが存在しています。
そう、面接は自分自身がなぜアメリカに行く必要があるのかを確認される場であり、代理はおろか配偶者と子供まで連れて行かないといけないので、非常にプレッシャーがかかるものです。
「どんなことを聞かれるんだろう?」と疑問を持つ方もたくさんいらっしゃるかと思うのですが、そんな方々のために、この記事では自分たちの体験を基に、東京のアメリカ大使館での面接の様子を紹介していきたいと思います。
尚、我々が申請したのはいわゆる駐在員ビザと呼ばれるLビザですので、他のビザに関してはこの限りかはどうか判断しかねますのでご了承ください。
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駅〜大使館まで
面接は東京赤坂の在日アメリカ大使館で行われます。
25×25cm以上の荷物やパソコン等の情報機器は持ち込めないと弁護士の方から言われていたので、必要な書類以外は全て赤坂駅構内にあるロッカーに預けていきました。
そんな事情を想定しているのか、駅には無数のロッカーがあるので、当日ロッカーが埋まっていて絶望に暮れるみたい事態にはならないと思います。
セキュリティチェック〜受付
アメリカ大使館に着いたら、物々しい感じでセキュリティチェックが行われます。
ここでは、やたら数が多い警備員に紛れながら、手荷物検査等を済ませます。
ちなみに、明らかに25×25cmより大きいリュックや手提げを持ち込んでいる人がいて謎でしたが、不要なものは置いてくるに越したことはないと思います。
セキュリティチェックを通過したら、受付で書類が揃っているか否か簡単な目視検査が行われます。
その際に、クリアファイルに書類を順番通りに入れている必要があり、順番が違ったり揃っていないと差し戻しをされるので注意が必要です。
順番に関しては、以下の大使館のウェブサイトに記載があるので、事前に目を通しておくとアタフタしなくて済むと思います。
書類のチェック(あくまで揃っているかのチェックで中身のチェックではないと思います)が済むと、番号札を貰い入館となります。
入館〜支払
館内にはパイプ椅子がたくさん並べてあり、奥の方ではガラス越しに面接をしている応募者もたくさんいました。
知人や友人の話から総合的に考えると、あまり混んでいない日だったようですが、それでもほとんどの席が埋まっていたので、混んでいる日は立ちっぱなしも覚悟しないといけないでしょう。
ちなみに、中には子供用のちょっとした遊具もあり、我々が訪れた際にも子供たちが遊んでいる姿がありました。
その日は結局30〜40分ぐらいで順番が回ってきました。
まずは書類を提出し、空港の入国審査の要領で指紋の採取を行います。
我々が申請したLビザの場合は申請費用の支払いを行う必要がありますが、書類提出後に支払ってくれという指示があり、支払い窓口でお会計をしました。
いよいよ面接の列へ!ちょ…誰か激詰めされてる?
諸々の処理が終わると、いよいよ面接となります。
水族館や動物園のチケットカウンターみたいに、ガラスで仕切られた対面式のブースで面接を行うのですが、その前に並んで順番を待つ必要があります。
小さいお子様を連れた家族は列をすっ飛ばして優先的に面接を受けさせてくれていたので、さすがアメリカは融通が効いている感じがしました。
ちなみに、面接をしている人は並んでいる列から丸見えなので、どんなやりとりをしているのかが結構聞こえて来たりします。
一人全然面接が終わらない人がいて、なんだかやりとりが異常にヒートアップしている様子だったので聞き耳を立てていたのですが、どうやら「書類に書いてある情報と、本人が説明していることと、会社がやっている事業などの辻褄が合っていない」というような内容でした。
「新しく事業を興すために赴任する」という説明だったようですが、「お前の英語力でやれるのか?!」くらいのテンションで面接官も食らいついていて、もはや激詰めの様相を呈していたので、絶対あの面接官だけには当たりたくないと祈る気持ちで並んでいました(この方は我々の面接が終わった後もまだ面接が続いていました)。
いよいよ面接本番!何を聞かれた?
そんな人達を横目に、我々の順番になり、約10分の面接で実際に聞かれた質問は以下の通りです。
- 会社の事業内容
- どんな仕事をしているのか
- アメリカではどんな仕事をするのか
- 部下は何人いるのか
- なぜあなたが派遣されるのか(現地社員雇ったらいいのでは?)
- アメリカには何年くらい滞在する予定なのか
- あなたはこの会社に何年勤めているのか
基本的には全て書類に書いてある内容で、それらの情報と齟齬がないかをチェックしているように見受けられました。
「なぜあなたが派遣されるのか?」という質問は「やはりきたか!」という感じだったのですが、「自分のこういう専門性がこういう理由でアメリカ社会の役に立つ(=現地社員にない知識を持っていて、それをトランスファーするために行く)」という部分は事前にきっちり練習をしておくべきだと思います。
ちなみに面接で妻は一言も話すことはなかったのですが、家族揃っていくとそういう点は有利だなと思いました。
というのも、妻の友人が同じようにビザ面接を受けたときは、旦那様とは違う日程で一人で受ける必要があり、「旦那さんの誕生日を聞かれ、予想外の質問にワタワタしてしまった」らしく、次の質問から日本語になったという珍事件があったようです。
面接終了〜パスポート受領
質疑応答が一通り終わると、面接官から「あなた達のビザは承認されました。1週間程度でパスポートが返送されますから。」と明確に結果を伝えられました。
あとは、駅に戻って荷物を忘れないように取り出したら、ビザ申請の手続きは全て完了となります。
パスポートが発送されると、トラッキングナンバーが発行され、メールで通知が来るようになっています。
パスポートを受領したら、必ず中身をチェックし、貼付されている米国ビザが申請通りのものになっているかなどを念入りにチェックしましょう。
日付が間違っていたりすると、後々大きなトラブルになってしまうため、ここでの確認は絶対にスキップしてはいけません。
まとめ
以上、アメリカ駐在にあたって誰もが通らねばならないビザ面接について、我々の経験談を紹介してきました。
とにかく、面接と名のつくものですので、絶対に準備は怠ってはいけません。
実際に目の前で数十分以上に渡って激詰めされている人を見たとき、絶対に悪意があるわけでもないと分かっていながら、上手く回答を導き出せていなさそうだったのは、準備不足も一定量影響していそうだと感じました。
提出する書類は会社が作ってくれるかもしれませんが、自分が提出するものなので、内容をきちんと把握してそれに沿ったストーリーで対応するのは当然の責務です。
面接官も落とそうと思って質問しているわけではなく、不備がないかの確認をしたいのだと思いますし、自分のパートをきちんと演じるきるために事前の準備は抜かりなく行いましょう。
この記事が、面接を控えている皆様方にとって、なにかの足しになれば幸いでございます。
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