先日、大自然を満喫したいという強い希望で、かねてから気にはなっていたけど行く機会がなかったザイオン国立公園を訪れてきました。
冬の間は自家用車の乗り入れが許可されているザイオン国立公園ですが、春以降はシャトルバスでの移動が必須となります。
ところが、新型コロナの影響でシャトルバスは予約制となっていて、嵐のコンサートばりの争奪戦が繰り広げられています。
この記事では、シャトルバスの予約が取れなくても、むしろラッキーと思わざるを得ないザイオン国立公園の楽しみ方をご紹介していきたいと思います。
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自家用車は乗り入れ制限がある
ザイオン国立公園の見所は、渓谷の間を縫う様に走る一本道、"Zion Scenic Drive"に沿って点在しており、これがザイオン国立公園の大動脈流となっています。
12月〜2月までの冬の間は、自家用車でこのZion Scenic Driveに立ち入ることが可能ですが、3月〜11月までの観光シーズンはシャトルバスのみの移動となっています。
ところが2020年7月1日以降、コロナの影響で、シャトルバスの利用にはチケットの事前購入が必要となってしまいました。
シャトルバスの予約方法
そんなわけで、ある日突然予約必須となってしまったシャトルバスですが、公式サイトによると予約方法は以下の方法があるようです。
- Advanced tickets ($2.00 each) will be released twice a month, on the 16th and the last day of the month. Tickets must be purchased on-line at Recreation.gov.
- Additional tickets ($2.00 each) will be released the day before your intended visit at 5:00 p.m. MT (for example, tickets for June 13, will be released at 5:00 p.m. on June 12). Tickets must be purchased on-line at Recreation.gov.
- Afternoon walk-up tickets (no charge) will be available from 3:00 p.m. to 5:00 p.m. at the Zion Canyon Visitor Center. These tickets are limited and are first come, first served.
方法①は、滞在予定日の前月の16日か最終日(30日か31日)にウェブサイトで購入する方法です。
こちらは、急な予定には対応できないので、少なくとも一ヶ月以上前には旅行計画を立てておく必要があります。
方法②は、滞在予定日の前日の現地時間17時にウェブサイトで購入する方法です。
急な旅行になってもチャンスはありますが、口コミを見てみるとコンサートのチケットより困難というレビューも散見され、これをアテにできる感じではありません。
方法③は、滞在予定当日に、先着順で配られるチケットで15時以降のバスに乗車する方法です。
これならば確率は高い上に無料なのですが、なにせ15時以降のバスにしか乗れないというのは、プランニング的にかなり厳しいものがあります。
ちなみに我々の場合は、突如生まれた休みに急ぎで旅行をねじ込んだため、①の前月予約は困難で、更に前日の17時頃は電波の届かないところにいたので②も不可、③に関してはそもそも15時頃には帰路につく必要があったということで、最初からシャトルバスの予約は諦めてしまうことになったのでした。
電動自転車(e-bike)という選択肢
そこで我々が目を付けたのが、e-bike(電動自転車)です。
2019年8月30日より、Zion Scenic Drive内へのペダルアシスト機能が搭載された電動自転車の乗り入れが可能となりました。
これならばシャトルバスに乗らずとも、ザイオン国立公園の最深部まで自由に移動することができます。
実際に試してみて、良いなと思った点は以下の通りです。
- シャトルバスの予約に縛られない
- 直前でもレンタルの予約が取れる
- バス停以外で自由に立ち止まれる
- ザイオンを全身全霊で感じられる
- 体力に自信がない人でも楽しめる
シャトルバスの予約に縛られない
まずはこれが一番大きいと思います。
シャトルバスの予約が不要なため、「シャトルバスが取れた日」に日程を当て込む必要がありません。
つまり、シャトル争奪戦の結果によってプランニングを変える必要がないため、予め自由な計画を立てることが可能になります。
直前でもレンタルの予約が取れる
我々は前々日に自転車の予約をしまたが、中には前日の17時にシャトルバス争奪戦に参加し、ダメだったので代替策として予約をしている人もいました。
予約状況もモニタリングしつつ、前日のチケット争奪戦に敗れてからでも間に合う可能性があるのは非常に心強いでしょう。
バックアッププランとして準備しておくと良いと思います。
バス停以外で自由に立ち止まれる
シャトルバスの場合、停車場が決まっているため、所定の位置でしか乗降りできません。
自転車を利用してとても良かったのは、道中で野生動物や心惹かれる風景に遭遇したときに、自転車を降りて自由に散策できたことです。
我々は目の前で鹿に出会い、非常にラッキーな思いをすることができました。
ザイオンを全身全霊で感じられる
とにかくスケールが大きいザイオンですが、自転車で走ると道の起伏や気温の移ろいなど、五感の全てで大自然を感じることができます。
特に下り坂などで慣性に身を任せ風を切ると、雄大な自然の中に身も心も溶け込みそうなほど圧倒的な幸福を感じました。
体力に自信がない人でも楽しめる
最後は、シャトルバスとの比較というより、「徒歩組」との比較になります。
シャトルバスを取らずに徒歩でZion Scenic Driveを走破する強者もたくさんいますが、体力や時間の観点からオススメはしません。
目的のトレイルヘッドに辿り着くまでにへばってしまっては本末転倒だからです。
電動自転車は上り坂でもほとんど自分の力を使わないので、体力に自信がない女性や子供でも楽しむことが可能だと分かりました。
オススメの電動自転車レンタル
ザイオンにはたくさんのレンタサイクルショップがありますが、個人的なオススメを挙げておきたいと思います。
①ZION E-BIKE RENTALS
家族経営のレンタサイクルショップで、口コミでの評判が良いのと、ママチャリのような乗り易そうな形の自転車が魅力です。
宿泊しているホテルまで自転車を届けてくれるため、わざわざ借りに行く必要がないのも魅力的でした。
更に、値段も少しだけ他社より安いので、絶対にここで借りようと思っていましたが、Springdale(スプリングデール)の提携ホテルに滞在していないと借りれないという制限があり断念しました。
提携ホテルは以下の通りですので、もしここに宿泊していたら是非オススメしたいです。
- Holiday Inn Express
- Cliffrose Springdale
- Springhill Suites
- Best Western Plus
- Desert Pearl Inn
- Bumbleberry Inn
- Hampton Inn
ウェブサイト ➡ https://zionebikerentals.com/
②ZION GURU
ザイオン観光に必要なギアや、様々な現地ツアーを提供している総合観光業者です。
私たちはここで電動自転車をレンタルしましたが、気持ちの良いスムーズな接客で全く問題なく過ごすことができました。
お店の裏にゲスト用の駐車場があり、レンタル中は車を停めておけるのが非常にグッドです。
ザイオン国立公園に自家用車の乗り入れができないということは、スプリングデールに車を停めてシャトルバスを拾うことになります。
ザイオン国立公園の入り口に近い駐車場ほど駐車料金が高くなるため、このようにお店併設の駐車場を無料で使えるのは有難いと感じました。
ウェブサイト ➡ https://www.zionguru.com/ebikeszion
自転車観光の注意点
魅力たっぷりの自転車旅ですが、注意点がいくつかあるのでご紹介しておきたいとおもいます。
シャトルバスが来たら完全停止
自転車はZion Scenic Driveを走るため、必然的にシャトルバスなどの車両と道路をシェアすることになります。
園内では常にシャトルバスが優先であり、シャトルバスが後方から近付いてきたら、自転車路肩に寄せ脚を地面につけて、追い越されるのを待つ必要があります。
速度を落とすだけではなく、脚を地面につけるというのが最重要ポイントです。
自転車はPa'rus Trailから入園
スプリングデールからザイオン国立公園に自転車で向かう際には、Pa'rus Trailという自転車通行が可能な道から入園することになります。
スプリングデールをザイオン方面に走ると、左手にサブウェイが見えます。
その反対側の駐車場を横切るとビジターセンターに続く小さな木造の橋が架かっているので、そこが自転車の入り口となります。
Pa'rus Trailを抜けると、Canyon Junctionに突き当たり、そこから先が本格的なZion Scenic Driveとなります。(※詳細は以下を参照下さい)
運転中のヘルメット着用と駐車中の施錠
電動を含め、自転車を運転する際は必ずヘルメットを着用しましょう。
基本的には、レンタル料金にヘルメットが含まれているので持っていないことはないかと思いますが、万が一レンタル料金に含まれていないということがないように事前にウェブサイトなどで情報収集をしておくことをオススメします。
また、自転車を置いてトレイルなどに出かける際は、地面に固定されている物体に鍵を繋ぐことを忘れないようにしましょう。
こちらもレンタル料金に含まれている場合が多いと思いますが、盗難などによる高額な保証金を避けるためにも、目を離している間の施錠は必須だと思います。
まとめ
以上、シャトルバスがなくてもザイオン国立公園を端から端まで堪能できる電動自転車の魅力について触れてきました。
私のように最初からシャトルバスは取らないという人も、シャトルバスの予約が取れなかったという人も、是非検討して欲しい選択肢です。
全米でも屈指の人気国立公園を全身で余す所なく感じることができるのは、自転車だけだと言っても過言ではありません!
結果的に、個人的にはアメリカ赴任後最高の旅行と呼んでいるほど今回のザイオン国立公園旅行が気に入ったので、この記事を読んだ皆様のプランニングのお役に立てると幸いでございます。
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