先日、ラスベガスから車でグランドキャニオンのサウスリムまで行ってきました。
ラスベガスのホテルを取っていたこともあって、グランドキャニオンで別のホテルを取り直すということは予算的にも考えられず、軽い気持ちで日帰りに決めました。
アメリカに駐在員として派遣されて以来、休みの度に様々な長距離ドライブをこなしているので、交通事情も含めてかなり運転慣れしている方だと思いますが、結果だけいうとむちゃくちゃ辛かったです。
この記事は、車での日帰りグランドキャニオン旅行は二度とやらないという強い後悔の念を込めて書くので、日本からラスベガスを訪れ、そのついでにレンタカーでも借りてグランドキャニオンまで足を伸ばしてみようと思っている人は、以下最後のまとめまで読んで冷静に判断することをオススメします。
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難点①:ラスベガス~グランドキャニオンの距離
まず、ラスベガスからグランドキャニオンまでの距離を再確認しておきましょう。
グランドキャニオンはその広大さ故、複数の見どころを有していますが、ラスベガスから日帰りで行くとなると、一般的には「サウスリム」を目指すことになります。
冬の間は閉鎖されてしまう「ノースリム」とは違い、基本的には年中無休でアクセスすることが可能であり、途中でルート66沿いの町に立ち寄ることもできるので、「サウスリム」の方が観光客に人気があるようです。
ラスベガスの目抜き通りから「サウスリム」までの距離は281mi(452km)で、所要時間は約4時間半となっています。
片道450km(往復900km)はこんなに遠い
片道4時間半と知ったとき、「朝早く出たら昼には着くじゃん!」と思ったのですが、これが大きな間違いでした。
往復で900kmを一日で走らないといけない訳ですが、この900kmという距離は東京~広島間よりも長く、正常な判断の持ち主であれば「神戸より西に向かうんだから、新幹線よりも飛行機の方がいいよね!」という距離だと思います。
この距離を走る途中でお昼ご飯を食べたり給油休憩を取りつつ、更に現地で観光を楽しむというのは想像以上に過酷だと思っておいた方がいいでしょう。
しかも、日本からの旅行の場合はこのコンディションに時差ボケが加わるので、私の行程より一層厳しくなることが予想されます。
実際のスケジュールはこんな感じ
本来過酷であるこの距離を甘く見ていた我々の実際のスケジュールは以下の通りとなります。
イエローストーンを含めて他の巨大な国立公園に行き慣れていたこともあって、サウスビレッジ自体はかなり小さく感じあっという間に見て回ることができました。
そのため、グランドキャニオンでの散策に使ったのは僅か2時間で、それ以外は基本的にはずっと運転しているという感じです。
運転手の交代ができるのであればいいですが、一人でこの距離を運転するのは至難の業です。
難点②:ラスベガス市内の運転も難しい
慣れないアメリカでこの距離を運転するのはもちろん危険なのですが、もう一つの理由として、ラスベガス市内での運転自体の難しさも述べておきたいと思います。
夜の街ならでは!車線が道路鋲で分けられている
ラスベガス市内を運転していて驚いたのが、車線を分ける白線の代わりに反射板付きの道路鋲が使われていたことです。
こちらはラスベガスの市内中心部の道路ですが、道路に埋まっている点々が反射板になっています。
あまりピンと来ない方もいるかもしれませんが、以下のアリゾナ州フェニックス市内の道路の様子と比較すると言わんとしていることが分かるかと思います。
このように、白線や黄色の線で車線変更の可否や追い抜きの可否などの交通ルールが記されているのが一般的ですが、先に紹介したラスベガス市内のものは車線そのものも分かりづらく、交差点付近などの交通ルールが全く分からないと感じました。
夜になるとヘッドライトに照らされて多少視認性は上がるのですが、アメリカの運転に慣れている私でさえ最初は手探り状態だったので、交通ルールを知らない場合は致命的な危険に直結するだろうと容易に想像できます。
オススメのツアー、代案は?
いずれにせよ、レンタカーを含め、車での日帰りグランドキャニオンは個人的には二度とやりたくないと思うのですが、その場合の代替案は以下の二通りが考えられると思います。
- ツアー会社が提供するパッケージを利用する
- 日帰りではなく宿泊を前提にプランニングする
1. ツアー会社が提供するパッケージを利用する
要するに運転の時間が大変すぎるので、現地のオプショナルツアーを使うということです。
調べてみると、ラスベガス発着の日帰りツアー(日本語)は人気のようで、定番の陸路から空路まで、様々なタイプのツアーを見つけることができました。
アメリカで現地ツアーを予約するときはベルトラを使うことが多いのですが、個人的にもう一度グランドキャニオンに行くとすれば以下のツアーを検討したいです。
独断と偏見のオススメ①
深夜2時発で、帰着が夕方~夜という文字通り「丸一日」の鬼畜プランですが、グランドキャニオンだけでなくアンテロープキャニオンを含めてレイクパウエル周辺まで一気に観光できるのは魅力的です。
筆者調べによると、このツアーの総走行距離は推定700mi(1100km超)で、これは東京駅→博多駅間に匹敵し、「普通は飛行機でも結構な旅だと感じる距離」だと思います。
さすがにこの距離を時差ボケの中で自力で日帰りすると、ラスベガスでの残りの滞在に悪影響が出ると思うのですが、ツアーであれば寝てたら目的地に着いていそうなので悪くないかなと思います。
独断と偏見のオススメ②
さすがにそこまでのエネルギーがないよという場合は、ヘリコプターでグランドキャニオンに乗り付けるのが一番優雅でしょう。
筆者はグランドキャニオンへのハイウェイを走行中、ものすごいスピードでヘリコプターに追い抜かれていって、嫉妬と羨望と疲労でメンタルをやられました。
決して安くはないですが、谷底ランディングという唯一無二の経験ができるのと、ツアーの全行程が5時間程度なので、下手したらチェックアウトの時間までにラスベガス市内に戻ってこれるのが魅力的です。
比較的短い日程でラスベガスに来ている場合などは、かなりオススメできそうです。
2. 日帰りではなく宿泊を前提にプランニングする
自分で運転すること自体あまりオススメできないと断言していますが、本質的に日帰りをオススメしない理由は体力的な話なので、普通にどこかで宿泊してしまうというのも一つの手です。
筆者がもし泊まりで行くなら上記のツアーを参考にして、グランドキャニオンだけでなくアンテロープキャニオンの方まで足を伸ばして、レイクパウエルらへんで一泊するのが良いかなと思っています。
デメリットとしては、ラスベガスをメインにちょっとだけ国立公園に立ち寄るというより、がっつり大自然に浸りに行くことになるため、ラスベガス旅行の前提自体が覆る可能性があることです。
この辺は滞在日数とその他の計画と合わせて、やっぱりツアーという可能性も残しておきましょう。
まとめ
だいたいどの情報誌を見ても、ラスベガスとグランドキャニオンはセットで語られることが多いです。
そのため、レンタカーでサクッと日帰りで行けそうなイメージを抱きがちですが、「東京に行ったらレンタカーでも借りて九州に行っておいでよ!」という畜生発言と同義だと肝に銘じておくべきです。
ラスベガス市内の道もかなり悪いですし、個人的にはレンタカーでのセルフツアーはナシの方向で検討した方が充実したグランドキャニオン旅行になると感じました。
もちろん、レンタカーで行く方が自由度も高く、また人数によってはコスパも圧倒的に良いというメリットもあるので、単純なヨコ並びでの比較は難しいと思います。
ただし、筆者は自分の経験から絶対にオススメしないというポジションを取った以上、正しく現実を伝えることが使命だと思ったため、このような記事を書いた次第であります。
この記事が、少しでも皆様のラスベガスとグランドキャニオン旅行のスケジュール検討の足しになれば幸いでございます。
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