※ベース利率の改訂により、2021年5月時点で最大4.64%となっているようです。サービスの仕組み自体には変更がないので、記事内容の更新はしておりません。※
以前こちらのブログでも取り上げたことがある、新進気鋭のチャレンジャーバンクの一角である、Revolut(レボリュート)。
そのあまりにもシンプルな口座開設手続きに感動し、複雑な本人確認書類要件がないことも相まって、赴任直後の銀行口座開設には圧倒的にオススメだと考えています。
➡ 英語力も免許証も不要!赴任直後の銀行口座開設はRevolut(レボリュート)が超絶オススメ! - 米国の僻地で暮らす駐在員のブログ
で、最近アメリカではその噂のRevolutからSavings口座の新サービスがリリースされたようです。
上記のロイターの記事のタイトルを見て、4.5%のSavings口座は革命的すぎると思い、調査員は早速アマゾンの奥地へと向かったのであります。
Sponsored Link
- Revolutとは
- Revolut - Savings Vaultsの新サービスの概要
- Revolut - Savings Vaultsの新サービスの詳細
- 最大5.00%の落とし穴はキャッシュバックの機会損失
- 結論
Revolutとは
Revolut(レボリュート)は、イギリスに拠点を置く新進気鋭のフィンテック企業です。
2015年の創業以来、イギリスを中心に世界35か国以上に事業を拡大し、国際送金業務を中心とした金融サービスを提供しています。
ここアメリカでも2020年からサービスが開始され、個人・事業者に向けて支店を持たない所謂オンラインバンキングサービスを提供しているようです。
Revolut - Savings Vaultsの新サービスの概要

今回新たにリリースされたサービスは、以前紹介したChecking口座ではなく、Savings口座に関連したものになります。
※口座の種類の違いについては以下の記事を参照にしてみて下さい。
➡ アメリカの銀行口座の種類を徹底解説。Checking,Savings,CDの違いと注意点とは? - 米国の僻地で暮らす駐在員のブログ
というのも、最大5.00%利息が付くSavings口座ということらしく、冒頭に掲載したロイターの記事によると、Savings口座の全米平均利率は0.05%といわれているらしく、これが本当ならば100倍もお得な革命的なサービスが誕生したと言えるでしょう。
Revolut - Savings Vaultsの新サービスの詳細
そういうわけで、凄いものを発見してしまったという高ぶる気持ちを抑えながら、小難しい内容をよく読み進めて自分なりにサービスの詳細をまとめてみました。
するとどうやら、「ベースとなる年率は0.25%(有料会員は0.50%)で、前月のデビットカードの利用額に対して年率4.50%のボーナス年率が付与される。つまり、最大年率は5.00%になります!」という話のようです。
ここのボーナスという概念が結構な曲者で、年で何%なのかという年単位の話をしている時に「前月の利用額に対して」という月単位の話をぶち込んでくるので、一瞬「おやおや?」と思考が迷子になるわけです。
そこで、噛み砕いて以下のように具体的な数字に落とし込んでみました。
事例①:預金額>利用額の場合
例えば、Savings口座の残高が500ドルとして、前月にデビットカードでChecking口座から100ドル支払った場合、ベース年率は常に残高の500ドルに対して適用されますが、ボーナス年率は500ドルの内の100ドルに対してしか適用されないということです。
この場合の各種の前提がずっと一定と仮定して、利息額と実質的な利息率をザックリ試算してみると、以下のようになります。(利息支払日の月ズレなどの細かい付与条件は度外視)

500ドルも預金しているにも関わらず、実際にボーナス金利の対象となるのは僅か100ドルしかないので、実質年率に換算するとなんともイマイチな結果となりました。
ちなみに、有料会員の場合は、ベース年率が0.50%になるだけで他は変わりません。
事例②:預金額≦利用額の場合
では次に、Savings口座の残高が500ドルとして、毎月デビットカードでChecking口座から残高と同額の利用が発生する場合は如何でしょうか。
こちらも各種の前提がずっと変わらないものと仮定して、利息額と実質的な利息率をザックリ試算してみると、以下のようになります。(利息支払日の月ズレなどの細かい付与条件は度外視)

この場合、ベースは事例①と変わらないので一定ですが、利用額が増えたことによってボーナスの対象となる残高も増えたため、実質年率が4.75%となり最大限の恩恵を受けることが可能となります(有料会員の場合の実質年率は5.00%)。
また、利用額が600ドルでSavings預金残高の500ドルを上回る場合でも、預金残高の500ドルがキャップとなるので結果は全く同じになります。
この2つの事例から分かったことは、預金額に対して利用額が少なければ少ないほど、実質年率はベースの0.25%(有料会員の場合は0.50%)に近づいていき、お得感が減ってしまうと言えるでしょう。
最大5.00%の落とし穴はキャッシュバックの機会損失
上手く活用すれば「最大5.00%もの利息を受け取ることができるSavings口座!」というのは魅力的ですが、筆者が考える大きな落とし穴は決済の機会損失にあります。
Revolutのデビットカードにはキャッシュバックが存在しないのです。
アメリカのクレジットカードの多くは1.00%以上のキャッシュバック率を誇り、一部のカードではなんと5.00%以上のキャッシュバックを受けることが可能となっています。
このSavings Vaultsで最大5.00%キャンペーンの落とし穴はまさにここにあり、4.50%の追加年率を獲得するためにはRevolutのデビットカードでの決済が必要なので、より高い還元率を誇るクレジットカードを使えなくなってしまうことです。
試しに、上記の事例②と同じ額を、年率0.50%のAMEXのHigh-Yield Savings Accountsに預け入れ、同様に還元率2.00%のAMEXのBlue Business Plus Cardで日々決済した場合の試算表を作ってみました。

結果は火を見るよりも明らかですが、クレジットカードを利用したほうが圧倒的にお得ということが判明しました。
なぜこのようなことになるかというと、キャッシュバックは毎月2.00%という意味ですが、ボーナス金利の4.50%というのはあくまでも年率であり、12ヵ月で割った0.38%が月々の正味の料率だからです。
つまり、この新サービスは「最大還元率0.38%のデビットカード登場!」を、「全米平均より100倍お得なSavings口座が登場!」と言い換えたものであり、まさにマーケティングの妙とも言える素晴らしい手腕だと思います。
結論
一見すると圧倒的にお得なサービスに見えますが、数字を元に試算してみると、通常のクレジットカードとSavings口座を組み合わせた方がお得であるということが判明しました。
「モノは言い様」といいますが、その言葉の重みを感じる、マーケティングの教科書に出てきそうな素晴らしいキャンペーンだと言えるでしょう。
個人的には、現段階では利用することはないかなと思いますが、チャレンジャーバンクとして硬直した銀行業界に今後も風穴を開けてくれることを期待しています。
ちなみに、期間限定ですがリファラル経由で新規口座開設を行うとボーナスが貰えるお得なキャンペーンも実施中ですので、是非詳細は以下の記事からご覧下さい。
➡ 【超期間限定】Revolutが米国でリファラルキャンペーンを開始。今すぐ申し込みすべし! - 米国の僻地で暮らす駐在員のブログ
こちらの記事もどうぞ
Sponsored Link