アメリカの薄切り肉問題は数多くのブログで言及されていますが、私も赴任してきて改めてこの問題の切実さに気付いた人の一人です。
ネットで色々と調べると、ローカルのスーパーで売られているという情報もあり、事実近所のトレジョや大手のチェーンでShaved Beefが売っているのを見たことがあります。
しかし、単価が高く牛肉以外の薄切りは存在していなかったので、一部の肉はどうしてもアジア系スーパー頼りとなってしまいます。
アメリカの薄切り肉問題に対して、ミートスライサーを購入するという選択肢があり、赴任後の検討~実際の購入に至るまでの流れと、使ってみた感想や実際にどれくらいお得なのかをまとめてみました。
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薄切り肉の入手経路とメリット・デメリット
冒頭に記載した薄切り肉問題と真摯に向き合った結果、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを自分なりにまとめて以下のマトリックスを作成しました。
私の住む場所の利便性が考慮されているので、人によっては多少変わるかもしれませんが、傾向としては似たような表になるのではないでしょうか。
利便性でいうと、奇跡的にアジア系のスーパーが一番近くにある場合を除き、近所のローカルのスーパーで薄切り肉を買えるのが一番です。
しかし、難点としては他の塊肉に比べて異常に単価が高く、家庭のサイズが大きい場合は家計に直撃してしまうでしょう。
エクストリームな方法として、薄切り肉を食べないという選択肢がありますが、肉じゃがだったりしゃぶしゃぶだったりを食べたくなるのが日本人の性です。
もちろん家庭のサイズや普段の献立などで様々な解釈ができますが、やはり総合点ではミートスライサーが強く、ミートスライサーを買うという結論に至りました。
渡米2週間後にミートスライサーを購入
長期的なコストを考えると、渡米後早く購入すればするほどお得なので、生活が落ち着くのとほぼ同時にChef's Choice 615Aというミートスライサーを購入しました。
この商品を選んだ理由は特にないですが、これ以上の値段を払うと本格的になりすぎることと、逆に100ドル以下の商品は安かろう悪かろうだと思ったからです。
あとはなんとなくAmazon's Choiceということだったので安心感がありました。
そして、YouTubeで日本人の方がこの商品を紹介していて、使い方のイメージが湧いたというのが最終的な決め手になりました。
ミートスライサーを使ってどんな感じに肉をスライスするのか、イメージが湧くと思うので是非ご覧になってみて下さい。
実際に使ってみたところ、故障もなく使い勝手にあまり不自由なく、日々大量の薄切り肉を生産できているので賢い選択だったのかなと思います。
ミートスライサーの使い方
①肉をカットする
スライスしたい部位の肉を塊で購入したら、スライサーの幅を超えない程度に2~3個に切り分けておきます。
特に、豚ロースなどの細長い肉を切るときは、必ずこの下処理を行ってください。
肉を素手で抑えて切ると、ふとした拍子にほんとうに指を切ってしまう危険性があるので絶対に避けましょう。

②肉を凍らせる
切り分けた肉は、ラップに包んで冷凍庫で凍らせます。我が家では、スライスしたい前日までには肉を凍らせておくようにしています。
③肉を解凍する
完全に凍った状態ではいくらミートスライサーでも切れないので、約1時間~1時間半ほど室温に放置し、半解凍の状態にします。
あまり長く放置しすぎると溶けすぎてしまい、薄切りにできなくなってしまいます。
逆に硬すぎると肉が斜めに切れてしまい、こま切れの鰹節みたいな肉ができてしまうので、ある程度のところで試し切りしてみて判断することをオススメします。
④肉をスライスする
スライサーに肉をセットして、スライスしていきます。Chef's Choiceの場合、裏に付いている目盛を調整することで、肉の厚さを変えることができます。
肉の用途によって厚さを目盛を微調節していきますが、我が家の目安は以下の通りです。
凍り具合は塊の大きさによって必ずしも毎回同じではないので、スライスしている内に解けてくるので、目盛を小さくしながら切っていくのがコツです。
- 豚バラサムギョプサル:9.0~10.0
- 豚ロース生姜焼き:3.5~4.0
- 牛タン(薄):3.5~4.0
- 牛タン(厚):10.0~12.0
- 豚ロース&豚バラしゃぶしゃぶ:2.5~3.5
- すき焼き:2.5~4.0
以下の画像はサムギョプサル用の肉を切っているときのものですが、我ながら美しくスライスできていると思います。
⑤肉を小分けにして冷凍保存する
切った肉は放置せずに、ラップに包んだ上で、更にジップロックに一食分ずつ小分けにして冷凍保存します。
こうすることにより、必要な分だけ解凍して食べることができます。
以下の写真のようにペタッとすれば、冷凍庫に重ねて大量に保管できるのでオススメです。
で、実際どのくらい節約になるのか?
ミートスライサーを購入した場合、180ドルの投資の元が取れるのはいつになるのか、超ザックリ計算をしてみました。
尚、計算にあたって前提は以下の通りとします。
値段は近所のスーパーの格安肉を参考にしているので、アジア系スーパーで売られている肉の品質とは必ずしもイコールではないことをご留意下さい。
ミートスライサー本体代:$180/pc
アジア系スーパーの薄切り肉:$8/lb
現地のスーパーのブロック肉:$1/lb
消費スピード:1lb/week
1lbが約453gなので、毎日100g/manを消費すると考えるとお子様がいる家庭などでは、1lb/weekは多少コンサバな消費見込みではあります。
ただし、上記の通りお肉へのこだわりがある場合などは肉自体の値段が上がるので一旦はこれで良しとしましょう。
そうすると、肉の値段などの条件を多少弄っても、この程度の初期投資であれば半年~1年以内に元が取れるようなイメージとなります。
アメリカ赴任直後に購入すればするほどお得というのも納得していただけるかと思います。
また、最初のチャートを思い出して欲しいのですが、自分でスライスすれば食べれる肉の選択肢は格段に増えます。
豚肉の場合だと、ショルダー、バット、ベリー、ハムなど、レシピに合わせてあらゆる種類の薄切り肉が調達でき、これは金額には表れない便益と言えるでしょう。
おわりに
ミートスライサーの購入は節約という側面だけでなく、食のレパートリーという意味でも非常に重要な意味を持ってきます。
アメリカにいても、寒い冬にはしゃぶしゃぶが食べたいし、ふとした瞬間に牛タン定食が食べたくなったりするものです。
実際にスライスする作業はお世辞にも楽とは言えませんが、今週末は解体作業をしようとあらゆる肉を買い込んでイベント化してしまえば苦ではありません。
そのままできたての薄切り肉を使った料理を食べる楽しみもありますし、思い切ってミートスライサーを購入して良かったと思っています。
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