駐在員としてアメリカに赴任してきて早一年が経過し、遂にCharles Schwab（以下：チャールズシュワブ）で発生した投資利益を申告する時が来ました。
アメリカは日本と違い、会社が源泉徴収と年末調整の全てを担ってくれるわけではなく、原則として個人での確定申告のプロセスを踏む必要があります。
駐在員として暮らしている場合、会社が提携している米国の会計事務所を通じて確定申告をすることが多いと思いますが、書類を揃えるところは全て自分の責任でやらなければならないので、割と大変な作業であることには変わりありません。
今回は、駐在員としてアメリカで株式投資を始めたときから抱いていた不安、「確定申告ってどんな感じなの…？」という疑問を晴らすべく、自身の体験を基に記事を書いていきたいと思います。
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アメリカの確定申告の流れ
赴任後割と早い段階で株式投資を始めるにあたって、「ただでさえアメリカの確定申告の事をなにも知らないのに、株式の取引で発生した譲渡損益を正しく申告できるのだろうか？」という一抹の不安を感じていました。
しかし、赴任後初めての確定申告が終わり振り返ってみると、自分自身がやらなければならない作業としては割と簡単だったなと思います（その裏にある会計事務所の皆様の膨大な努力には感謝してもしきれません！）。
以下は、自分の場合のザックリした確定申告の流れとなりますが、在留ステータスや会社が契約している会計事務所によって異なるので、あくまで参考程度に留めておいて下さい。
上図のように、我々申告者がやるべき作業は、会計士の方々が諸々の計算をするのに必要な「情報の収集と情報の提供」が主です。
投資関連の確定申告の具体的な作業
では、投資損益関連の確定申告に必要な作業はどこかというと、上図の「税務申告書類をひたすら収集」に該当します。
更に具体的に言うと、「Form 1099と呼ばれる書類を収集する」ことです。
Form 1099とは？
この「Form 1099」という言葉を初めて聞く人もいるかもしれませんので、補足しておくと、ウェブ上では以下のような説明がなされています。
A 1099 form is a record that an entity or person other than your employer gave or paid you money. The payer fills out the 1099 form and sends copies to you and the IRS.
意訳：Form 1099は、あなたの雇用主以外の法人や個人があなたにお金を与えたり支払ったりした記録です。支払者はForm 1099を記入し、あなたとIRS（アメリカ合衆国内国歳入庁）に送ります。
要するに、ある種の給与明細的な存在で（例えが適切かは別として）、そこには自分が誰からいくら貰ったかが記録してあり、年度内の主たる雇用主以外からの稼ぎを算出するための書類です。
このForm 1099には更に細かい分類があり、例えば以下のようなものがあります。
出典：nerdwallet.com
- 1099-DIV : One of the most common flavors of this form, the 1099-DIV reports dividends you received. (配当金収入の明細)
- 1099-INT : If you earned more than $10 in interest from a bank, brokerage or other financial institution, you’ll receive a 1099-INT. (利息収入の明細)
- 1099-MISC : This is a catch-all for income that doesn’t fit into other 1099 categories, though it does have some specific purposes. (雑所得の明細)
つまり、銀行から一定額以上の利息を受け取れば1099-INTが、株で配当金を貰えば1099-DIVが発行されるということで、確定申告時には銀行や証券会社などから複数のForm 1099が発行されることになるわけです。
チャールズシュワブのForm 1099の種類は？
ちなみに、今年の確定申告で私がチャールズシュワブから発行されたForm 1099の種類はというと、Form 1099 Compositeというもので、以下のものがひとまとまりになったものでした。
- Form 1099-DIV : 配当金の詳細
- Form 1099-INT : 口座開設ボーナスの詳細
- Form 1099-B : 株式売買の詳細
ちょっと興味深かったのは、紹介経由で口座開設をした時の入会特典が、Form 1099-INTでInterest Income（利息収入）として計上されていたことです。
最初はなんの「利息」なんだろうと思って非常に戸惑い、以下のものだと気付くまでに時間がかかりました。
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チャールズシュワブの確定申告作業
では、実際にチャールズシュワブでの投資によって発生した損益を申告すべく、このForm 1099の取得方法を解説していきたいと思います。
Form 1099が発行される時期
年が明けて少しした頃に、今年はいつForm 1099が発行されるかという情報がまとまったメールがチャールズシュワブから届きました。
ザッと眺める限り、ほとんどの書類が1月下旬～2月中旬頃の発行となっていて、実際に私は2月19日に発行されました。
恐らくですが、よほど特殊な取引をしていない限り、2月中にはForm 1099が出揃うのではないかと思います。
Form 1099の取得方法
自分のアカウントにログイン後、上部のツールバーのAccounts > Statementsと辿ります。
自分のForm 1099が発行されていれば、そこにTax Formsという形で該当の書類が掲載されているはずです。
これらのファイルは、PDF、XML、CSVなどの形式でダウンロードすることが可能です。
もしもまだ掲載されていない場合はもう少し待つか、各種書類のお届け方法をペーパーレスに設定していない場合は物理的に郵送されている場合も考えられますので、ご自宅のポストを覗いてみましょう。
取得したForm 1099を会計士に提出する
上の方の図に示した通り、チャールズシュワブからのForm 1099を収集したら、会計士に提出しましょう。
雇用主からの給与や、他の会社から貰ったForm 1099などと合算して、あとの細かい計算は会計士の方々がやってくれるはずです。
実に簡単だったと言っているのは、ワンクリックで年度内の取引をまとめたForm 1099が手に入るので、こちらの作業としては非常にシンプルという意味です。
あとは、諸々の手続きが終わって過不足金の案内が来るので、それに従って還付や支払いの手続きを行えば、晴れてチャールズシュワブの株式取引を含む確定申告作業は完了となります。
まとめ
そういうわけで、今回はチャールズシュワブで投資を初めてみたものの、確定申告が不安だ、分からない、などの不安を抱いている方々に向けて、自身の経験から米国における確定申告の流れを解説してきました。
流れ自体は人によって多少の違いはあるかもしれませんが、とにかく重要なことは「知らなかったでは済まされないので、Form 1099の存在を認識しておくこと」「発行されたForm 1099は包み隠さずに全て申告すること」です。
上記の引用にある通り、書類のコピーはIRS（日本でいう国税庁的な最恐組織）にも送られているので、彼らはこの所得を認識しているわけです。
当然、申告しなければ申告漏れがバレて追徴という憂き目に遭うことが目に見えているので、それは絶対に避けましょう！
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