2019年春、東京都庁にバンクシーの作品と思われるネズミの絵が登場し話題を集めました。その絵は小池都知事によって一般公開されるなど、瞬く間に話題を呼び、バンクシーの名前は連日メディアに取り上げられることになりました。
世界的に有名なグラフィティアーティストのバンクシー(Banksy)は、ロンドンを中心に世界中に数多くの作品を残しており、ここアメリカでもその作品の一部を見ることができます。
ストリートアートという性質上、どこかの美術館で一堂にコレクションされているわけではなく、世界中のあらゆる路上に点在しているわけですが、なんとユタ州のパークシティでは徒歩3分圏内で3つの作品を見ることができます。
今回は、それぞれの絵がどこで見れるのかを地図と解説付きで紹介したいと思います。
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パークシティについて
ユタ州のソルトレイクシティから車で約30分程のところに位置する、世界的に有名なスキーリゾートです。2002年のソルトレークシティオリンピックの開催地でもあり、その良質な雪質とスキーリゾートとしての評判の高さから、毎年国内外からウィンタースポーツの愛好家が大挙して押し寄せてきます。
また、サンダンス映画祭というインディペンデント映画を対象とした国際映画祭が開催される都市でもあり、アメリカの芸術文化の発信地としても認識されています。
パークシティで見れるバンクシーの作品
そんなパークシティで見ることができる作品とその場所をご紹介します。
なんと過去には7点もの作品が存在していたそうですが、2点は直ぐに消され、他の2点は再開発のプロジェクトで消失してしまい、現存するものは以下の3点となっています。
それでも、この小さな町に世界的アーティストの作品が3点も存在することは奇跡と言えるでしょう。
Dirty Rat
バンクシーの作品によく登場するネズミがモチーフの作品です。場所はパークシティの目抜き通りにあるEgyptian Theatreの脇の通路の階段を下りたところにあります。暗い通路なので人通りが少なく見落としやすいのと、この通路の天井に掲げられている万国旗に気を取られて通り過ぎてしまうことがあるので気を付けましょう。以下で説明していますが、現存する他の2点とは違い、完全にオリジナルの状態で存在している貴重なアートワークと言われています。
Camera Man and Flower
こちらのカメラマンの作品は目抜き通りのコーヒーショップの壁に描かれており、バンクシー作品の存在を知らずに来た人でも発見しやすい場所にあります。2010年1月19日の朝、このJava Cow Coffeeの店主が作品の存在に気付いたそうです。その年の映画祭ではバンクシ―のドキュメンタリー「Exit Through the Gift Shop」がプレミア上映される予定だったため、既に地元民の間で名が知られていたバンクシーのこの行為は、瞬く間に世界中で話題を呼んだという逸話が残っています。
他の2点に比べると、最も人目につきやすい場所にあり、休日になると絵の前には人だかりができています。
Praying Boy
上記のカメラマンの作品と、こちらの少年の作品は2013年の年末~2014年の年始にかけてカリフォルニア出身のアーティストによって破壊されています。この少年の作品は特に被害が酷く、元の絵は殆ど失われてしまったと報道されています。幸いなことに、熟練の美術修復家により修復されたお陰で、現在でも変わらず作品を楽しむことができます。
その後、破壊行為を行ったアーティストは逮捕・起訴され、5年間の執行猶予判決に加え、12,000ドルの修復費の支払いや100時間の社会奉仕活動への従事などを求められているようです。「落書き」自体も立派な犯罪ですが、その落書きへの落書きが犯罪行為として厳しく罰せられるというのはとても不思議な感じがします。
こちらの作品は建物の横の小路を入ったところにありひっそりと存在しているので、見落とさないように気をつけましょう。
おわりに
全ての作品がメインストリート沿いに存在していて、その距離はなんと徒歩3分圏内です。熱狂的なバンクシーファンでなくとも、パークシティは訪れる価値のある町です。ウィンタースポーツが好きな人は世界的なリゾートでスキーやスノーボードを楽しめますし、映画好きな人ならサンダンス映画祭に参加してみるのもいいでしょう。その旅行のささやかな楽しみとして、お宝探し感覚でバンクシー作品を探してみましょう。
ちなみに、2020年のサンダンス映画祭は終わってしまいましたが、2021年のサンダンス映画祭は1月28日~2月3日で開催される予定だそうです。
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